エアコンの保温工事について

前回9月の記事でも出てきた冷媒配管にも関連するお話しです。
工事グループでは業務用エアコンなどの設備改修工事をお受けすることが多いのですが、そういった設備の場合、屋上などに室外機を設置されている所が多いのではないでしょうか。

その場合、家庭用のエアコンとは違い室内機と室外機をつなぐ冷媒配管の露出部にはラッキングといわれるカバーで覆い仕上げることが多いのですが、殆どの改修前の現場では、そのラッキングはベコベコに凹んでしまっています。
勿論、工事の内容にも依りますが改修工事の際は大抵、2枚目の写真の様に綺麗な状態にいたします。

このラッキング、配管の保温工事の仕上げに断熱材の上に巻く薄い金属板のことを言いますが、エアコンの冷媒配管といえば、「冷媒用被覆銅管」が使用されており日本銅センター規格(JCDA0009)により制定された保温材が巻かれてあります。

この保温材の役割ですが、空調機稼働中の配管はかなりの低温となる為、外気との温度差によりそのままでは結露してしまいます。
保温材を巻くことで結露は勿論、銅管自体の劣化も防いでいますし、配管内の冷媒も一定の低温を保ったまま室内機まで届けることができます。

しかし、屋外の露出部分でこの保温材が雨風や紫外線にさらされてしまうと、当然ながら徐々に劣化してしまいます。
ラッキングは仕上げの見た目もありますが、この保温材を保護するのが一番の目的です。

冷媒配管と、ラッキングの間には通常いくらか空間があるためここに足をかけて体重を載せてしまうと簡単にへこんでしまいます。
こうなってしまうと、ラッキングのつなぎ目の隙間が徐々に開き雨風、紫外線に晒されるようになり劣化の進行度合いも早まります。
酷い状態ですと、冷媒配管自体も曲がったり凹んだりしてしまい、冷媒の循環を阻害して能力が低下したり最悪の場合、配管から冷媒が漏れてしまい正常に運転しなくなる可能性もあります。
通常そこまで酷い状態になることは殆どありませんが、なるべく踏まない様に注意いただければと思います。
また、害鳥の被害も甚大です。害鳥の場合、ラッキングをせず簡易的に保温材を保護している場合など、嘴でつつき、ボロボロになった配管をよく見かけます。
出来れば、冷媒配管はラッキングをしていただいた方が良いでしょう。

当社では、このような注意シールを貼り踏まれない様にする予防対策も行っております。